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a16z Crypto & Portfolio

a16z Crypto

もう誰もが知ってるVC界のレジェンドなので、詳細な説明は省きますが、マーク・アンドリーセン氏とベン・ホロウィッツ氏が立ち上げたベンチャーキャピタルa16zのWeb3部門です。1号ファンドは2018年に$300Mで組成されており、GPはKatie Haun氏とChris Dixon氏が務めました。Katie Haun氏はa16z初の女性GPとなったことでも当時話題になりましたが、現在はa16zから独立してHaun Venturesを立ち上げています。

a16z cryptoは現在までに51件の投資を行っており、そのうち37件でリードをとっているようです。今回はこのa16z cryptoのポートフォリオ内で比較的最近投資された3つのプロジェクトを少し取り上げてみます。その前に今年3年ぶりに開催され、また来年開催されることが発表されたCrypto Startup Schoolについても紹介しておきます。

a16z Crypto Startup School(CSS2023)

a16z Crypto Startup School

a16z cryptoによるCrypto Startup Schoolが3年ぶりに開催されました。応募総数8000超えの中から15か国に渡る26チームが選ばれたようです。3か月間のアクセラレータプログラムのようなもので、最後にデモデイが実施されてます。また期間中のはa16zの投資先のプロジェクトのファウンダーなどからの講義が行われており、とても豪華な内容になっています。また来年はロンドンでCSS Spring 2024の開催も決定しており、10月20日が応募締め切りとなっています。ロンドンにa16zのオフィスが開設されるので、その流れでロンドンのエコシステムの活性化と投資先のソーシングが狙いかと思います。

なおCSS23では参加が決定すると、基本的に7%の株式と引き換えにa16zから$500,000の投資を受けることになります。なので評価額は約$7Mとなり、CSSを修了後に評価額を上げてラウンドを回り始めます。私が観測している範囲では概ね評価額$10-15Mでプレシードラウンドを回っているような気がします。

気になるプロジェクト

Gensyn

Gensyn

2023年のトレンドど真ん中な「Blockchain×AI」の領域でに取り組むプロジェクトです。具体的にはブロックチェーンを用いた、機械学習のためのコンピューティングリソースのマーケットプレイスです。機械学習のためのコンピューティングリソースにアクセスできるのは大企業のような資金を潤沢に持っているような企業に限られており、スタートアップなどには安価にアクセスできるデータセンターが必要になります。そのためGensynでは、普段使われていないPCやスマホのコンピューティングリソースを活用して、一般的なデータセンターよりも安価に提供することを目指しています。Filecoinなどではストレージを提供していますが、GensynではGPUパワーを提供しているというイメージです。

自前でLayer1ブロックチェーンを構築してことが予定されており、Polkadotのパラチェーンとして構築することが予定されています。Gensynはイギリス拠点で、Polkadotはドイツを中心としてヨーロッパでのエコシステムが強いので、そのような関係があるのかもしれません。ちなみにa16z CryptoがPolkadotエコシステムのプロジェクトに投資をするのは初めてであり、a16zで3年働いたJeff Amico氏がHead of Operationとして参画しています。

Worldcoin

Worldcoin

言わずもがな知られているOpen AIのサム・アルトマン氏が関わるプロジェクト。Orbという端末で虹彩をスキャンして、虹彩データからアイリスハッシュという唯一無二のIDを生成します。そしてWorld IDには定期的(現状は2週間ごとに3 $WLD)に $WLD が付与されるベーシックインカムの要素も含んでいます。1 Person 1IDのアプローチとしては面白いですが、実際のユースケースが生まれていないのが現状です。なおかつトークンの発行枚数はインフレし続けることも問題視されています。今後はOP Stackを利用してL2を構築するようなので、次の打ち手が気になるところです。プライバシーの観点から賛否両論ありますが、個人的に社会実験としては興味深いと思っています。Orbは日本に数台常設されているようで、Worldcoinのアプリから確認することができます。

Towns

Towns

Townsはオンチェーンネイティブなオンラインコミュニティを作成するためのインフラです。現在主流のオンラインコミュニティであるDiscord、Telegramでは運営会社がメンバーシップのルールを決めて、人間である管理者によって管理されてきました。これらのメンバーシップやルールをオンチェーンで管理することで、参加者が主権を持てるようにすることを目指しています。

Townsの具体的なソリューションは下記となっています。

  • Towns Protocol

詳細は不明ですが、EthereumベースのTownsネットワークという独自チェーンを持つようです。テストネットではGoerliを使用しており、バックグラウンド部分では手数料を削減するためにメインネット以外を採用したいとのことだったので、OP Stack、Arbitrum Orbit、ZK StackのようなL2技術スタックを使用するのかと思います。(これは筆者の勝手な予想です)

  • appTowns

appTownsはオンラインコミュニティそのものですが、appTowns自体の所有権もオンチェーン上にあるため、マルチシグでの管理や、売却・譲渡することできるのがユニークな点です。またappTownsがブロックチェーン上のdappという扱いになるため、Towns Protocolをベースにして、DeFi TownsやNFT DEX Townsなどを独自で開発していくことも可能とされています。

  • daoTowns

Tows Protocol自体のガバナンスを司るDAOのことです。プロトコルの開発や、トレジャリーの管理などをDAOとして実施していくようです。

Townsの開発元はHNT Labsで、HNT LabsはBen Rubin氏です。Ben Rubin氏はHousepartyとMeerkatの創業者でCEOを務めた人物で、オンラインコミュニティのスペシャリストでもあります。特にHousepartyはオンラインビデオチャットアプリとして多くのゲームユーザーに使用され、Epic Gamse社によって買収されました。(2021年10月にサービス修了)ちなみに現在はalpha版がローンチされていますが、招待制でWaitlistに登録しておくといつか触ることができるかもしれません。

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